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ウェールズ花暦  8 月

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Agapanthus(アガパンサス): ムラサキクンシラン
ラテン語名: Agapanthus

0608_hana1 Agapanthus日本でも最近よく見かけるようになったこの花,紫君子蘭(ムラサキクンシラン,ちなみにオレンジ色の君子蘭はヒガンバナ科で全く別の種類)という和名よりは英語名のアガパンサスの方がお馴染みかもしれません。イギリスでもこの時期の花壇には,そのすがすがしい色と優美な姿が彩りを添えます。6月に帰国した際,日本ではもう鉢植えの花が咲いていましたが,こちらでは7〜8月が開花のメインのように思います。属名のAgapanthus はギリシャ語で「愛」を意味するagapeと「花」を意味するanthusがくっついたもので,「愛の花」というロマッチックな意味です。イギリスには大航海時代にもちこまれたようで,1629年の文献には花の名前を見つけることができるそうです。南アフリカ原産のユリ科の多年草で,別名では African Blue Lilyとも呼ばれ,草丈は60〜90㎝くらいになりますが,矮性(わいせい:小さい)の品種も時々みかけます。よく栽培されているものは A.praecox,A.olientalisという品種から交配された園芸品種で,種小名も多い為,ここでは属名のみとしています。花色は青みがかった紫色がほとんどですが,中には純白の花を咲かせるものもあります。比較的耐寒性もあり,育てやすいことから人気があります。

Southern Magnolia(サザン・マグノリア): タイサンボク
ラテン語名: Magnolia grandiflora

0608_hana2 Southern Magnolia「泰山木」と書いてタイサンボクと読ませるこの花,日本でも公園や寺社の境内など比較的広い場所に植えられていたりするし,中国的な雰囲気を漂わせていると思っていましたが,北米原産の植物でした。モクレン科の常緑高木で,成長すると高さが20m以上にもなるため,イギリスでも庭木というよりは広大なお屋敷や庭園に植えられていることが多い木です。古びた石の壁に沿うように植えられていたりして,ヨーロッパの雰囲気にも溶け込んでいます。日本では初夏に咲くようですが,こちらでは8〜9月に強い芳香を持つクリーム色の巨大な花を咲かせます。まさしく「大輪」ということばがふさわしく,一度見ると忘れられない花です。ただ他のモンクレン科の花と同じく,すぐに花びらが茶色くなってしまうところが残念なところです。北米東部から東南部が原産の為, Southern Magnoliaと呼ばれるようですが,Bull Bayという別名もあります。イギリスには18世紀前半に持ち込まれたようです。 Magnoliaという属名はPierre Magnol(1638-1715)というフランスの植物学者に由来し,種小名のgrandifloraは「大きな花の」という意味です。

( 狩野 記 )