ウェールズ花暦 2 月
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Snowdrop(スノードロップ): マツユキソウ ラテン語名: Galanthus nivalis
ウェールズの2月は曇り空の日が多く,つい下を向いて歩いてしまいます。でも木々の根本にこんなに可愛らしい花を見つけられるなら,たまには下を向いて歩くのも悪くはないですね。純白の花弁に明るい緑の葉や茎,うつむきがちに咲く可憐な花はマツユキソウ(待雪草)と言い,英語名はSnowdrop。あまり説明はいらないネーミングです。他にFair Maids of February(2月の美しい乙女)なんていう名前もあります。学名のGalanthusはギリシャ語で Gala「ミルク」,-anthus「花の」,nivalis「雪のような」に由来しています。雪がまだ残る(といってもウェールズはそんなに雪は降りませんが・・・)地表に春の訪れを告げるかのように咲くこの花には,天使が雪のひとひらに息を吹きかけたものが地上に落ちてこの花になったという伝説があるとか。ヨーロッパからコーカサス山脈にかけてが原産でヒガンバナ科の球根植物です。イギリスには16世紀頃もたらされたようです。10〜15cmくらいの高さに成長しますが,Galanathus elwesiiという品種では20cmくらいになります。この花に非常によく似たものに同じヒガンバナ科のSnowflake(スズランスイセン)という植物があり,これもとても爽やかで可愛らしい花ですが,Snowdropより全体的に背が高くまた,Snowdropが花の内側の花弁にだけ緑の斑点があるのに対し,Snowflakeは外側の花弁の先に緑の斑点があります。
Hellebore(ヘレボー): クリスマス・ローズ ラテン語名: Helleborus
最近日本でもクリスマス・ローズが人気だという話を聞きますが,イギリスでも2〜3月の庭の彩りとして欠かすことのできない花として人気があります。種間交雑(品種と品種を交配して新しい品種を作ること)が比較的容易で様々な園芸品種が出回っているのも魅力の一つです。日本ではHelleborus属の園芸品種全体をクリスマス・ローズと呼んでいますが,イギリスではHelleborus niger(写真左)という一品種をクリスマス・ローズと呼び,それ以外の春先に咲くもの,特にHelleborus orientalis(写真右下)という品種を総称してレンテン・ローズ(Lent:イースター前の四旬節と呼ばれる期間)と呼んでいます,が Helleboreと全部まとめて言ってしまうことも多いように思います。名前で分かるようにクリスマス・ローズは12月〜3月にかけて咲き,レンテン・ローズは2月〜4月に咲きます。 Helleborus nigerは ヨーロッパアルプス地方の地中海沿岸が原産で草丈は約30cm,花色は白一色であるのに対し,oriantalis種の方はギリシャからコーカサス地方にかけてが原産。草丈は約50cmで花色は白色,ピンク,濃い紫など。両方ともキンポウゲ科の耐寒性のある常緑多年草です。niger種がイギリスに持ち込まれたのはかなり早く,ローマ軍の荷物に紛れてきたものが最初で,その後17世紀前半に再度紹介されており,orientalis種は20世紀になってから持ち込まれています。さて今回Helleborusの名前の由来は分からなかったのですが,花は白いのになぜniger(ラテン語で「黒」という意味)かということは分かりました。根が黒いのです。そして古くから精神の病に効く薬として用いられてきたようです。orientalisは「東方の」という意味です。
( 狩野 記 ) |