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ウェールズ花暦  7 月

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English Lavender(イングリッシュ・ラベンダー): イングリッシュ・ラベンダー
ラテン語名: Lavandula angustifolia

0607_hana1 English Lavenderイギリスの夏と言えばこの花なしには語れないほど,この時期はどこにいってもラベンダーの紫の花と良い香りに出会います。もとは地中海地方原産の植物なのに「イングリッシュ」を冠するくらいラベンダーはイギリス人とって馴染み深い花です。イギリスに最初に持ち込まれたのはローマ人によってではないかと推測されていますが,詳しいことは分かっていません。Lavandulaはラテン語のLavare「洗う」に由来し,花や葉,花から取れる香油は鎮静作用や抗菌・殺菌作用があり,古くから薬用や化粧用として使われてきました。地中海地方原産のシソ科の常緑低木(多年草とする本も)で高さは1mほどになります。 English Lavenderと言われているものはLavandula angustifolia(種小名のangustifoliaは「細い葉の」という意味)という品種でこの他に同じく地中海地方原産のL.Latifolia(英名 Spike Lavender,latifoliaは「広い葉の」という意味)やそれらの交配種もEnglish Lavenderとして出回っているようです。他にはぐっと数が減るもののFrench Lavenderと言われるL. stoechasなども時々見かけます。しかし日本でレースラベンダーとして出回っているL.pinnataやL.multifidaはあまりこちらでは栽培されていないようです。紫の可憐な花の姿が愛されているのは勿論のこと,その香りも日常の多くの場面で使われていて,入浴剤や石鹸,シャンプー・リンス,消臭剤やルームスプレー,衣類の柔軟剤等々枚挙にいとまがありませんが,やはり7月の夕暮れに庭に佇んでいると,風で花が揺れる度にふうわりと漂ってくる香りにはなんとも言えない魅力があります。

Hollyhock(ホーリーホック): タチアオイ
ラテン語名: Alcea Rosea

0607_hana2 Hollyhockイギリスには広大な名園が数あれど,イングリッシュ・ガーデンと聞いて連想するのは,古い茅葺き屋根の民家の前に色とりどりの宿根草が花を咲かせ,家の石壁には良い香りのバラが咲き誇っているようなコテッジ・ガーデン(Cottage Garden)という人は多いのではないでしょうか。今回ご紹介するのは,そんな素朴な庭には欠かせない花,Hollyhockです。和名では茎がまっすぐに立つことからタチアオイ(立葵)と呼ばれており,日本に入ってきたのは室町時代と聞きますから,日本でもお馴染みの花。こちらにくる前は日本的な花だと思っていました。イギリスに持ち込まれたのは日本より2世紀ほど早い13世紀半ば,十字軍によってもたらされたことから‘holy-hoc’(hocは古いサクソン語でアオイ科の植物をさすことから「聖地のアオイ」という意味)と呼ばれるようになり,今のつづりに落ち着いたようです。Alcea (Altheaとする本もある)という属名はギリシャ語のAlthaia(「治療」という意味)から来ており,アオイ科の植物の持つ薬効から名づけられたとか。アオイ科の植物には粘膜を保護し,炎症を抑える働きがあるそうです。種小名のRoseaは「バラの花のような」という意味です。小アジア原産のアオイ科の多年草(2年草として扱う本もある)で,高さは2m以上になるものもあります。乾燥に強く,何よりその鮮やかで大きな花は夏の庭の彩りとして欠かせません。多数の園芸品種があり,花色は白,ピンク,アプリコット,黄,深紅など多彩で,八重咲きの品種もあります。

( 狩野 記 )