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ウェールズ花暦  6 月

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Foxglove(フォックスグローブ): キツネノテブクロ
ラテン語名: Digitalis purpurea

0606_hana1 Foxgloveこの時期になると生垣や庭などでみかけるこの花,日本でも時々見かけます。属名のジギタリスで呼ばれることのほうが多いかもしれません。キツネノテブクロという名前は英語の名前を直訳したものですが,花の形状からそう呼ばれています。個人的にはこの花を見ると新見南吉の「てぶくろをかいに」の子狐を連想してしまいます。昨年の夏に訪れたCornwallのLost Gardens of Heligansという庭園でこの花が群生していたのが印象的でした。ヨーロッパ原産のゴマノハグサ科の2年草(もしくは多年草)で,高さは1〜2mになります。花色は園芸品種も含めると白,黄,ピンク,紫と多彩で,花の内側に白く縁取られた暗紫色の斑点が出るのが特徴です。開花期は6〜8月と長く,イギリスの夏を彩る花の一つです。すべての部位に毒性がある為,取扱いには注意が必要ですが,この葉から抽出されるジギトキシン(digitoxin)等の成分は強力な強心利尿作用があり,医薬品に用いられています。属名のDigitalisはラテン語のdigitus「指」に由来し,これも花の形にちなんだものです。purpureaは「紫の」という意味。

 

 

 

 Nasturtium(ナスターシャム): キンレンカ
ラテン語名: Tropaeolum majus

0606_hana2 Nasturtium夏がやってくるたび,ハンギングバスケットや花壇などで鮮やかな朱や黄,オレンジの花をふんだんに咲かせているこの花,日本ではナスタチウムという名前の方が馴染みがあるかもしれません。和名のキンレンカ(金蓮花)は葉が丸く小さな蓮の葉のようなので名づけられました。中南米原産のノウゼンハレン科の1年草で,葉ばかりでなく,花や実も食用にできることから,広くハーブとして育てられています。葉や花ををサラダに入れたり,若い実はピクルスにしたり出来るほか,熟した実をすりおろすとワサビに似た味がするそうです。ビタミンCと鉄分が豊富で強壮作用があり,咳や風邪などにも効果があります。 Nasturtiumなんていかにもラテン語っぽい響きなので,当然ラテン語名もそうなのかと思ったら,全く違うTropaeolumという属名でした。実は分類学上のNasturtium(「曲がった鼻」という意味。カラシを食べると鼻にツーンとくるのでそこからついたのでしょう)はアブラナ科のオランダガラシ属を指すらしいのですが,この植物のピリッとした味が似ているということで使われているようです。Tropaeolumという名前は,葉が盾に,花が勝利の女神の黄金のヘルメットに見えることから,勝利の象徴である「トロフィー」に由来したものだとか。majusは「より大きな」という意味です。イギリスには17世紀後半にもたらされました。同属のTropaeolum minus(ヒメキンレンカ)はそれより100年以上早い1530年代には既に入ってきていますが,現在はあまり見られないようです。

( 狩野 記 )