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ウェールズ花暦  3 月

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Daffodil(ダッフォディル): ラッパスイセン
ラテン語名: Narcissus

0603_hana1 Daffodilウェールズの象徴といえばLeek(ポロねぎ,リーキ)とこの花Daffodil(ラッパスイセン)で,3月1日のSt David's Day(ウェールズの守護聖人である聖デビッドの日)には人々の胸に黄色い可憐な花が飾られます。また公園や庭先,花壇だけでなく,道端に植えられているものも多く,この時期ウェールズに来ると様々な場所で見かけることができます。スイセン属の植物は地中海沿岸が原産で,ヨーロッパでは古くから栽培され, 2万もの園芸品種があるとか。花弁の白いものやピンクがかったものなどもありますが,ウェールズではやはり黄色いものが好まれています。学名の Narcissusは「ナルシシズム」「ナルシシスト」の語源とも一緒で,ナルキッソスという美少年が水に映った自分の姿に恋をして,そこから離れることができずに疲れ果てて死に,その場所にやがてスイセンが咲いたというギリシャ神話に由来します。英語名のDaffodilは"asphodel"(ギリシャ神話で死者の楽園に咲く不死の花:スイセンとされる)がなまった"affodell"に由来するという説があります。ヒガンバナ科の球根植物で品種によって異なるものの大体50cm前後になるものをよく見かけます。2月で紹介したスノードロップと共にイギリスの春を代表する花です。

Crocus(クロッカス): クロッカス
ラテン語名: Crocus

0603_nana2 Crocusクロッカスは日本でも鉢植えや花壇などで春先に見ることができますが,イギリスでは日本よりずっとポピュラーな花です。花壇よりは芝生や木の根元などさりげない場所に群生しているのをよくみかけます。Crocusという名前はギリシャ語のkrokos「糸」に由来し,花柱(雌しべの柱頭と子房との間の柱状の部分)が長く糸状に伸びることから付けられたという説や,サフラン・イエローを意味するcrocatusという言葉に由来するという説などがあります。ちなみに香辛料のサフランとして知られているものは秋に咲くCrocus Sativus(英語名:Saffron crocus)という品種。このサフランという名前,もとはアラビア語に由来するらしいのですが,和名ではCrocusという属名をサフラン属と呼んでおり少々ややこしい。アヤメ科の球根植物で高さは12〜13cmになり,春に咲くものと秋に咲くものがありますが,イギリスでは春に咲くものが一般的です。地中海から中国西部にかけてが原産で,特に前述のサフランは雄しべが香辛料や染料,薬として貴重であった為,古くから栽培されてきました。イギリスでは14 世紀後半には既に栽培されていたようで,同じ時期に春咲きの品種ももたらされて早春の庭を飾るようになったようです。「春を告げる花」として昔から人々に愛されてきました。

( 狩野 記 )