ウェールズ花暦 4 月
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Skimmia(スキミア):ミヤマシキミ ラテン語名:Skimmia japonica
庭木としてよく見かける低木です。冬場は雌株の赤い実が庭に彩を添え,マッチ棒の頭のような雄株の赤いつぼみは,クリスマスの飾りなどに用いられますが, 4月になると小さな星のような白い花を房状に咲かせ,そばを通ると蜜のような甘い香りが漂います。雄株(写真右)の花の方がたくさん咲き,香りも強いように思います。雌株は赤い実がまだある内に控えめに咲きます(写真左)。この植物は雌雄異株で雄と雌が近くにないと実を結びません。晩秋になると雌株では赤,種類によっては白色の実が熟しますが,毒性があることから鳥などに実を食べられないようで,冬の間ずっと楽しむことができます。 japonica の名前の通り日本原産のミカン科耐寒性常緑低木で高さは1m程度になります。1月のWinter Honeysuckleのところでも紹介したプラントハンターRobert Fortuneによって19世紀半ばにヨーロッパに持ち込まれました。Skimmiaというちょっと変わった名前は和名のシキミから来ています。しかし仏事で使われるシキミ(Illicium anisatum 実が猛毒なことから「悪しき実」が転じてシキミになったとか・・・)はシキミ科,ミヤマシキミ(深山樒)はミカン科で違う種類ですが,枝ぶりや葉が似ていることから同じ名前で呼ばれるようになったそうです。中国南部原産の近縁種(Skimmia japonica subsp. reevesiana)との交配種が園芸品種として多く出回っています。暑さ寒さに強く,栽培は容易で日陰でもよく育ち,光沢のある常緑の葉につぼみ,花,実と楽しみの多いことから人気があります。
Forsythia(フォーサイシア):レンギョウ ラテン語名:Forsythia
去年のイースターに夫とイギリス南西部Dorsetを旅行した際,道端にはDaffodil (キズイセン)が,家々の庭にはこのForsythia(レンギョウ)が咲き誇っていて,「春の色って黄色なんだなぁ」と実感した思い出があります。葉の出る前に鮮やかな黄色い花をすずなりにつけるこの花はまぶしいくらいで,見る人に春の喜びを感じさせてくれます。主に東アジア原産(F. europaeaという品種だけはバルカン半島原産)で日本にもヤマトレンギョウ F. japonicaなどの自生種があります。モクセイ科の落葉低木で高さは2〜3mほどになり,枝の垂れ下がる「つる性」のタイプと、幹や枝が立ち上がる「直立性」タイプがあります。干した実は漢方薬として使われ,消炎,解毒,利尿,腫瘍・皮膚病に用いられるそうですが,雌雄異株の為,栽培されているものではあまり実がならないようです。Forsythiaという名前はWilliam Forsyth(1737-1804)というスコットランドの園芸家の名前にちなんだもので,花の形からGolden Bell Bushという別名もあります。日本でレンギョウ(連翹)というとForsythia suspense(「垂れ下がる」という意味)という品種のことを指しますが,こちらではシナレンギョウ F.viridissima(「とっても緑」という意味),チョウセンレンギョウ F.ovata (「卵型の」という意味)もひっくるめてForsythiaとして栽培され,中でもシナレンギョウとレンギョウをかけあわせたintermedia(「中間の」という意味)という交配種が数多くの園芸品種として出回っています。病虫害や大気汚染,暑さ寒さにも強く,挿し木も簡単な(Dorsetのあの町は 1軒の家から挿し木が広まったにちがいない・・・)ことから人気があります。
( 狩野 記 ) |