ウェールズ花暦 2 月
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Sweet Violet(スウィート・ヴァイオレット):ニオイスミレ ラテン語名:Viola Odorata
もう2年以上前になりますが,ガーデンセンターで売られていた小さな2鉢のスミレの花を買いました。現在は我が家の庭に地植えにされ,こんもりとした茂みを形作っているこの花,虫害も少なく,日向でも日陰でも文句も言わず育ち(とは言っても半日陰が居心地よさそうです),いつでもみずみずしいハート型の葉を茂らせ,春先に可憐な紫の花を咲かせる,本当にけなげな植物です。しかも花には良い香りがあり,お菓子の飾り付けに使われるスミレの砂糖漬けはこの花を使います。また古くからワインなど食品への香り付けにも用いられてきました。スミレ科の多年草で地中海原産。学名のViolaはラテン語で「芳香のある花」を意味するそうです。種小名のOdorataも「芳香のある」という意味です。また和名のスミレは,大工さんが使う「墨入れ」に花の形が似ていることから付けられたとか。イギリスの人々はこの早春の花の香りが大好きで,香水やバス用品などにもこの香りが使われます。
Common Primrose(コモン・プリムローズ):イチゲサクラソウ ラテン語名:Primula vulgaris
3〜4月になると道路脇の斜面などに明るい黄色の花が咲いているのを見かけますが,我が家の庭では少し環境が良いのか,1月中旬頃から咲きはじめていました。前に住んでいた人がこの花をいたく気に入っていたようで,赤や紫,ピンクの園芸品種もそこかしこに植えられているのですが,雨の多いウェールズの冬には,ナメクジやカタツムリにばっちり食べられてしまいます。しかしこの黄色いプリムローズは何故か食べられず,完全な姿を保ったまま花壇や芝生の縁で咲き誇っています。神出鬼没に咲いていたりするのを見ると「もしや雑草?」と思うこともないではないのですが,それにしては可愛らしい花です。天気の良い日に一斉に咲いているのを見るとなんだか花がニコニコしているようで,こちらも顔がほころびます。PrimulaやPrimroseのPrimというのは Prime「最初の」という意味で,種小名のvulgarisはcommonすなわち「よくある」という意味です。イチゲサクラソウ(一華桜草)という和名も中々素敵ですね。ヨーロッパ原産のサクラソウ科の多年草で耐寒性が強く,草丈は20cmほどになります。イギリスでは春を告げる花として長く親しまれてきました。
( 狩野 記 ) |