ウェールズ花暦 1 月
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Winter Honeysuckle(ウィンター・ハニーサックル):ロニセラ・フラグランティッシマ ラテン語名:Lonicera fragrantissima
私は良い香りのする花が好きです。そして沈丁花の香りが一番好きですが,それに勝るとも劣らない高貴な香りを漂わせるのがこの花です。よく見かける花ではありませんし,花自体も白くて小さくぱっとしない感じなのですけれど,とにかく良い香りでうっとりします。この花を見ると近くへ寄っていき,顔を寄せてスーハースーハーと深呼吸してはこの香りを吸い込もうとする私は,端から見るとかなりあやしい人になっているかもしれません。花後は実がなり,夏に赤く熟します。Honeysuckleと言えば初夏の花という印象が強いですが(そしてこちらも良い香り)このWinter Honeysuckleは名前の通り,12月頃から咲き始めます。種小名のfragrantissimaは「非常に香りの良い」(-issimaは最上級を表します)という意味です。スイカズラ科のつる性半常緑低木で中国東部原産,2〜3mほどの高さまで成長します。幕末に日本を訪れたことでも知られるイギリスのプラントハンターRobert Fortuneによって19世紀の中頃,中国からヨーロッパに持ち込まれました。日本ではあまり出回っていない為か,学名のまま呼ばれているようです。
Winter Heather(ウィンター・ヘザー):エリカ ラテン語名:Erica carnea
イギリスのMoor(荒野)の夏を彩る花としてHeath(ヒース)は日本でもよく知られた花ですが,今回ご紹介するのは同じヒースでも冬に咲くグループです。日本ではHeathの方が通りが良いのですが,こちらでは特に園芸品種のものについてはHeatherと呼ばれることが多いように思うのでここでは Heatherの呼称を用います。花期は11〜4月にかけてと長く(その為Spring HeatherやSpring Heathと呼ばれることも),その頃になるとガーデンセンターなどで寄せ植えにされたものや花壇用の小鉢などが出回ります。どんよりした冬の天気,色の少ない庭にピンクや白の色を添えてくれる有難い植物です。Heather自体はツツジ科の常緑低木で多くの品種があり,ヨーロッパ原産とアフリカ原産(特に南アフリカのケープ地方に約600種が集中)に大別されますが,Winter Heatherとしてはヨーロッパ原産のErica carnea(E. herbaceaと表記されることも)種と,このErica carneaとE. erigena(ヨーロッパ原産)という品種をかけ合わせたE. darleyensisという園芸品種がよく出回っているようです。通常Heatherは酸性土壌を好むのですが,このグループは普通の庭土でも育ち,寒さに強く,15〜30cmという高さで広がる性質から花壇やグランドカバー用途として人気があります。Carneaは「肉のような色の」という意味で,あまり花としては美しくない名前ですが,濃いピンクの花色が新鮮な肉の色に似ていることから付けられたのでしょう。
( 狩野 記 ) |