ウェールズ花暦 7 月
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Penstemon(ペンステモン):ペンステモン ラテン語名:Penstemon
この花はこちらに来て初めて知った花です。高温多湿に弱い為,日本にはまだあまり出回っていないかもしれません。知り合いに苗をもらったので育ててみると病害虫に強く,ウサギにも食べられず(これは我が家の庭では重要なことです!),霜が何度もおりた冬も生き抜き,7月から9月頃まで長い間花を咲かせるという長所の多い植物です。香りこそありませんが,赤や紫(薄い青色や白,ピンクの品種も見かけます)の花が群植されているとはっと目をひく鮮やかさがあります。切花にしても持ちが良く,以前発根させようと思って水にさしておいたら,全くつぼみのなかった茎にいつの間にかつぼみがつき,花を咲かせていたのには感心しました。ゴマノハグサ科の多年草(最近は1年草として出回っている品種もあります)で北米原産。草丈は30~45cmくらいのものが多いですが,背の高いものは75cmくらいになります。原種が約250種もあることからここでは属名のみ表示しています。ヨーロッパには18世紀末に持ち込まれたようで,以降 主にヨーロッパで品種改良が進められました。現在アメリカにAmerican Penstemon Society(APS)という協会があり,Penstemonの普及に一役買っています。別名にBeardtongue(「ひげのある舌」・・・特定の品種に毛の生えた長い雄しべがあり,花冠から舌のようにでていることからつけられたらしい)という名前がありますが,Penstemonの名前で呼ばれることが殆どです。Penstemonはギリシャ語の「5」を意味するpenta-と「雄しべ」を意味するstamenがくっついた名前で「5本のおしべ」という意味です。
Day Lily(デイ・リリー):カンゾウ ラテン語名:Hemerocallis
Cardiff郊外St FagansにあるNational History Museum(以前はMuseum of Welsh Lifeと言っていたような・・・)の敷地には美しい庭園がありますが,そこではじめてこの花と出会いました。まるで上等な布地のような厚みのある花弁と緑の葉からくっきり浮かび上がるような山吹色や臙脂(えんじ)色の花の印象は強く,家に帰って早速調べたらDay Lilyという花でした。一つの花は1日しか咲かないことからこの名前がついたそうですが,蕾がたくさんつくので7~8月の間は花を楽しむことができます。昨年引っ越した家の庭にはかなり大きい2株のDay Lilyがあり,彼らは病害虫にも強く,殆ど手間をかけてやらなかったのに今年もまた鮮やかな花を咲かせてくれています。ユリ科の多年草で冬には地上部が枯れ,草丈は50~80cmくらいになります。中国原産ということになっていますが,日本にも野生化した品種が多く,品種によっては日本原産とされているものもあるようです。中国からヨーロッパにこの花が伝わったのは意外に古く16世紀後半とのことです。園芸品種が多く,特に第二次世界大戦後,北米で品種改良が盛んに行われ,Penstemonと同様American Hemerocallis Society(AHS)という協会があるそうです。写真の品種は多分Hemerocallis fulva (Orange Day Lily)の園芸品種で,和名にするとホンカンゾウ(本萱草)ということになるようですが,実際はかなり多様な品種が栽培されているのでここではまとめてカンゾウという表記にしました。しかし日本でも最近は園芸品種をヘメロカリスと呼んでいることも多いようです。Hemerocallisという名前はギリシャ語で「日」を表すhemeraと「美しい」を表すkalosがくっついたものです。Day Lilyの名前同様,花の美しさが1日だけということを表したのでしょう。漢方では本萱草の根や花を乾燥させて利尿,止血,消炎などの薬として用いるようです。
( 狩野 記 ) |