ウェールズ花暦 9 月
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Traveller's Joy(トラベラーズ・ジョイ): クレマチス・ヴィタルバ ラテン語名: Clematis vitalba
この時期,垣根や道路脇の木立の中に,なんだかもしゃもしゃしたものを沢山つけた蔓(つる)性の植物が良くみられます。このちょっと変わった植物,実はクレマチスの仲間で英語ではTravellers JoyもしくはOld Man's Beardと呼ばれています。もしゃもしゃした部分は雌しべから伸びた綿毛で,花は7〜8月にあまり目立たない白い小さな花が咲きます(写真左下)。ちなみに種類は違うものの,日本にも「仙人草」(Clematis Terniflora)と呼ばれる白いクレマチスの仲間があり,これも綿毛が仙人の白髪にみえることから名づけられたとか。 ヒゲと髪の違いながらどちらも白髪を連想しているのが面白いところです。キンポウゲ科の多年生の蔓植物で日本ではクレマチスや鉄線(てっせん)として知られている花と同属ですが,これはヨーロッパ原産です。属名のClematisは“蔓植物の若枝”という意味のギリシャ語のklemaにちなむもので,種小名のVitalbaは「白い蔓」という意味です。南イングランドやウェールズによく見られます。丈夫で旺盛に繁茂し,自生するものも多く,長さが30mくらいになる場合もあるようです。
Russian Vine(ロシアン・ヴァイン): ナツユキカズラ ラテン語名: Polygonum aubertii
花がなくなり,段々と寂しくなってくる9月にあって,はっとするような白い花のカーテンを見せてくれるこの花,Russian Vineもしくは Silver Lace Vineと呼ばれています。タデ科の落葉性蔓植物で中国西部やチベット原産,しかしRussianなのはロシア経由で欧米に入ったのでしょうか?耐寒性が強くて非常に成長が早く,放っておくと庭を占領されてしまうほど旺盛に繁茂し,Mile-a-Minute Vineなどとも言われます。剪定しなければ 10〜20mくらいになってしまうとか。しかし塀や壁などに小さな白い花が滝のように咲き誇るのは素晴らしいものです。種小名で多少混乱があるようで, Russian VineというとPolygonum baldschuanicum という品種が挙げられる事もあるようですが,その品種は花がピンク色を帯びていること,Russian Vineは一般に白い花を指す場合が多いことから,ここでは白い花のaubertiiとしています。ナツユキカズラ(夏雪葛)という和名は,夏でありながらまるで雪が降ったかのように花が咲くことから付けられたようです。
( 狩野 記 ) |