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第1回
『田舎ぐらし』

家の前の牧場と馬これからカーディフ近郊に赴任や留学されるという方は,「一体どんなところなんだろう?」と興味津々もしくはとても不安に思われることでしょう。カーディフは「ウェールズの首都」ですし,町の中心部は美しく整備されて都市という印象もなくはないのですが,車でちょっと行けばもうそこは緑の丘が広がり,牛や羊が草を食んでいるような牧歌的な光景を目にすることができます。要は田舎なんです。

筆者の住んでいるところはWenvoe(ウェンボウ)という村です。車でカーディフの中心部まで10~15分,高速(M4)にも近いし,なかなか便利ではありますが,まぁ自然の豊かなこと。借りているのが農場の敷地内の家ということもあって,まず窓の外には牧場が広がり,オーナーの娘さんの馬(Wenvoeではよく乗馬を楽しんでいる人をみかけます。結果馬の落し物も多くて閉口しますが・・・)が1頭飼われています。小鳥も多く,ピーナツなどを出しておくと今(11月)の時期には頭の青いBlue Tit(和名不詳)やシジュウカラ,コマドリなどが集まってきます。春先はもっと種類が多く,顔の赤いGold Finch(和名不詳)やとってもちっちゃなキクイタダキ,ツグミなどもみることができます。4月のある日,庭仕事をしていたら「カチッ,カチッ」という音がするので何かと思ったらツグミがカタツムリを石にぶつけていました。殻を壊して中を食べようというのです。私に気づくとツグミは隠れてしまったので,作業に戻るとカチカチ音がまた聞こえ始めるなんてこともありました。先日はキジを2羽目撃。彼らはダッシュすると結構早いんです。その他,セキレイが馬の後をチョコチョコ歩いていたり,ツバメが何羽も電線に止まっていたり,鳩が集団で牧場に現れたりと始終なにかしらの鳥を見ることができます。

可愛い悪魔(子ウサギ)野ウサギも多く,春先は子ウサギがたくさん見られます。とても可愛いのですが,何しろ食欲旺盛で,植えたばかりの花の苗が食べられるのには頭を悩まされました。柵を作っても柵より小さいので意味無し。最終的には柵にネットを張ってやりすごしました。リスも勿論みかけます。先日,どうも何かむかし埋めていたものを掘り起こしているらしく,あっちこっちで土をほじくりかえしては埋めるという謎の行動をとっていました。リスも球根を食べてしまうので注意が必要です。また秋から冬になるとネズミ(ピーターラビットの絵本にでてくるような小さいネズミ)がでて大変苦労します。こいつらも小さい目がつやつやと黒くて可愛いは可愛いんですけれど,食物は勿論,石鹸や布などもかじるので結構被害は深刻です。ネズミよけの超音波を出す機械や毒入りエサ(全部食べたのに状況変わらず・・・餌付けしちゃったってこと?!)など試しましたが,原始的な罠が一番効果があります。このように大体小動物は害獣なんですが,歓迎すべきものもいます。それはハリネズミ。初めて目にしたのは8月の夕暮れでした,後ろ姿がウサギに似ていたので「コラァーッ」と出て行ったら逃げずに硬直。毛が逆立ったのでハリネズミだとわかりました。小さな体が息をするたびに動き,相手がものすごくドキドキしているのが分かったのでなんだか可哀相になり,植物に水をやるふりをして少し遠くから見ていたらそのうちノソノソっといなくなりました。カタツムリなどの害虫を食べてくれるガーデナーの味方です。

晴れた日の我が家いろいろ苦労もありましたが,この12月に帰国が決まり,この生活と離れるのかと思うと淋しい気がします。これからウェールズに来ようという方は,便利な街なかの生活もいいですけれど,こんな田舎暮らしもいいものですよ。車がないと生活できませんけど。(狩野 記)