【SHORT TRIP】第20回>>> メニューページに戻る Stourhead に行こう!
今回ご紹介するStourhead(スタウア・ヘッド,ストア・ヘッドと表記されることも)は筆者個人のマイ英国庭園Best 3に入るWiltshireの庭園です(ちなみに他の2つはDerbyshire のChatsworthとConwyのBodnant Garden)。Landscape Garden(風景式庭園)の金字塔と言っても過言ではないでしょう。木立の中から見え隠れするローマ風の建物,静かに水をたたえる湖,初夏には色とりどりのシャクナゲが競うように咲き,また秋には壮麗な紅葉が私たちを迎えてくれます。湖の周りをゆっくり巡るたび,景色がどんどん変わって見えるというカラクリは「池泉回遊式庭園」なるものを伝統として持っている日本人のハートをわしづかみです(勿論イギリス人のハートも)。とにかくPicturesque(絵のように美しい)という言葉はこういう景色のためにあるのだと否応なく納得させられます。まぁもともと風景式庭園は古代のアーケイディア(理想郷)を描いた絵画(平たく言うとイタリアの田園風景の中に古代ローマの遺跡が描かれている絵)をベースにしているので「絵のように美しい」のは狙い通りということになるのでしょうね。筆者は5月初めと10月末に訪れたのですが,どちらも甲乙つけがたい魅力がありました。
もともとこの地は非常に古い家柄のStourton家が何世紀にもわたって住んでいた場所ですが,17世紀後半には諸々の理由からこの地を手放さなければならなくなりました。1717年,新興の銀行家の2代目であったHenry Hoareがこの地を買い取り,パラディアン様式(18世紀に流行した古代ギリシャ・ローマを意識した様式)の屋敷を建てます。しかしまだこの時期には素晴らしい庭園はなく,息子のHenry Hoare 2世を待たねばなりません。Henry Hoare 2世は,敷地を流れていた川を堰きとめて湖を造り,湖の周りにはアポロの神殿やパンテオン(古代ローマの諸神を祭った神殿),グロット(人口の洞窟)等の建物を配置し,美しい庭園を造り上げました。その他にも多くのイタリア絵画を収集し,それらは現在Picture Galleryで見ることができます。Henry Hoare 2世は3人の子供に恵まれましたが,全員父親より先に亡くなり,孫(娘の子)のSir Richard Colt Hoare(父親のSir Richardの代で準男爵となったので以降Sirが付きます。いとこ同士の結婚だったので姓は変わらず)
カーディフからだと車で2時間半くらいでしょうか。車がない場合は大変不便ですが電車とバスを乗り継いで行くこともできるようです(但し最寄のバス停留所から1キロ以上あります)。屋敷の中は通常イースターの頃(3月下旬〜4月上旬)から10月末までしか見ることができませんが,庭だけでも訪れる価値は十分にあります。冬場は木々の葉が落ちる為,庭園内の建物も見えやすくなり,また違った景色が楽しめるようです。以前Gardeners' Worldという園芸雑誌に“Winter Gardens(冬場に訪れたい庭園)”として紹介されていたくらいです。また駐車場がほど近いところにFarm Shop(National Trustのグッズが売っているショップとは別)があり,野菜などとても良い品揃えのようです(筆者は残念ながら時間がなくて行きませんでしたが・・・)。興味のある方はのぞいて見てはいかがでしょうか。
National Trust : http://www.nationaltrust.org.uk/ Traveline : http://www.travelinesw.com/ (狩野 記) |