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KenのWales 便り - No.26 " Food Festival"

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岡本賢一

 毎年9月に、私が住むAbergavennyの町で“Food Festival”が開催される。年々盛んになってきて、今年は、さまざまな催物が織り込まれ、かなり盛大になった。 私が食品工業にかかわっているためか、いくつかの催しに招かれたので顔を出してみた。

その中で印象に残ったのが、子羊(いわゆるLamb)一頭を解体して、いかにきれいな食肉にするかというもので、有名なButcherが来て、観客の前で解体してみせた。 会場には大勢の観客の前、羊一頭が大きなまな板の上に乗せられていた。もちろんきれいに皮がはがされており、内臓の掃除もされていて、頭、尻尾、足の先などはすでに処理されており、あとは解体すればいいだけになっていた。

このカリスマButcher、羊の骨格やその肉の部位につき、一通りの解説をしたあと直ちに解体に入った。 何でも最初に腎臓を取り出してこれを半分に切り中を見ると、この羊の生前の健康状態がわかるとのこと。 すなわち健康な羊ほどその肉もおいしいそうな。半分に切られた腎臓の内部は幾分白い部分があったがおおむねきれいな色であった。彼いわく、まあ健康な状態とのこと。この白い部分が多くなると健康に問題があったという印らしい。

続いて前足と後足をのこぎりで切断し、余分な筋などをナイフで取り除き、きれいなLamb shankに仕上げた。 掃除した肉の切れ端などは後でソーセージに使用するので捨てる部分はないとのこと。それから胴体の解体をして、肉やの店頭でよく見かけるLamb chopsも見事なナイフ捌きで仕上げていった。

本人いわく‘私はシェフではないので料理方法などを説明したくはないが’と前置きをしてから、
Lamb chopをタコ糸で縛り、丸くして王冠の形に仕上げて、これでローストして赤ワインのソースで食べるととてもおいしい、と説明があった。
そして、皆さんはよくMint SauceLamb料理にお使いになるが、それも悪くはないが、上等なLamb chop にはやはり手間をかけた赤ワインソースで食べてほしいという。私もMint Sauceは好きでなかったので、わが意を得たり、とばかり得心した。

また、このLamb Chopにあたる部分の右と左を比較するとその羊が生前どちら側を下にして寝ていたかがわかるそうである。即ち肉のつき方、骨の発達の仕方などが違ってくるので見分けがつくとのこと。 解体で羊の健康状態や寝癖までわかるとは!

彼はさらに、ナイフの研ぎ方や肉を切るときの注意点など説明を交えながら、約1時間半ですべて解体を終わり、私は一人のButcherに過ぎないが、できるだけいい肉を皆様に差し上げたいのですといって、終了した。普段、肉の解体など見たことがないし、このような丁寧にしかも、料理まで考慮して解体していくなどというのは初めて見たので、大変面白く興味深かった。

このような解体は、何か芸術の域に入っているような気がする。さてこの後、Londonから来たというインド料理のカリスマシェフが料理の実演をやった。先ほどのLambを使ってカレーとLambのミートボールを作った。 先ほど解体を見たばかりの肉であったが、上品な味で大変おいしく、出された赤ワインとともにしっかりと試食をしてしまった。

                                          200610月中旬




最初に腎臓を取り出しているところ 




解体が終わり、きれいな肉の塊になった。白い紙飾りがされているのが王冠のLamb chop