「おー、辛い!」、「うー!」無言で微妙な顔つきをする人、など様々であった。
あるバーベキューパーティに醤油を持っていったときの、人々の反応である。
夏の日が長い間には、天候に恵まれさえすれば人々はさまざまな口実を設けてバーべキュウ(BBQ)パーティを行う。 今年は10日ほど天気が良かったが、それ以外は大変涼しく、というよりも寒いくらいで、晴れた日がなく夏とはいいがたい日々が続いた。
最近はすっかり日も短くなってきて、バーベキュウもやりにくくなってきたが、それでも、多くの人は最後とばかり、機会を捕らえては、BBQパーティを楽しんでいる。
私も友人の家や、テニスクラブのBBQパーティなど、今年も何度かBBQを楽しんだ。
今年はこの地方の人々にも醤油の味をわかってもらおうと、BBQパーティに呼ばれるたびに、醤油を一瓶と、それとチュウブ入りの和芥子としょうが、それにわさびを持参し、3種類の醤油たれを作り、肉や野菜などこれにつけて食べるように勧めてみた。
ビールやワインを飲みながら、肉や野菜をこの醤油たれにつけるように勧めてみた。すでに醤油を知っている人は生姜味が良いとか、わさび味がいいなどと言っている。しかし大半の人は醤油という名前は聞いて知っていても味わったことがなく、恐る恐る試してみて思わず冒頭のような反応。
当然かと思う。生まれてこのかた、ケチャップやマヨネーズ、ウスターソースなどで育ってきた人たちである。 いきなりわさび醤油や、芥子醤油を味わったら「何これは?」といいたくなるであろう。 この地域では、醤油を自宅でも使うという人々はきわめて少数派であり、「うーん、これはなかなかいい味だ。これはどうしたら手に入る?」という反応をする人々は、まだまだ少ない。
映画「わが谷は緑なりき」で知られたように、多くの人が谷間に生活しており、年配の人の中にはLondonはもちろんWalesの谷から外に出たことがないという人もいるらしく、生活様式は大変保守的である。こうした人たちにしてみれば「醤油の味」は生まれてこの方、経験したことがない味覚の世界であろう。
フィッシュアンドチップスにはビネガー、肉にはグレービーソース、と相場が決まっているのに、いきなり「醤油をかけてみなさい、それはうまいよ」と、いわれても受け入れられないのであろう。
何回かの経験から判断すると、おおむね2割くらいの人がこれはおいしいと、醤油を受け入れてくれる。そして残りの大体半分くらいの人がまあまあ試してみる、後の残りの人たちは醤油というだけで、手もつけようとはしない、そんな割合。食べ物を含めて生活全体が大変保守的な地域だが、せめて半分くらいの人々が醤油を使ってくれるといいな!
最近はCardiffにも回転寿司ができて、すしという名前はかなりPopularになってきているが、まだまだ生の魚は食べない人が多いし、海苔は気持ちが悪いといって手をつけないといった具合。 いつであったかパーティに海苔巻きを持っていったら、中の一人が皿の上に海苔巻きをひとつとって、醤油はかけず、ナイフとフォークで丁寧に周りの海苔を取り外し中のご飯と具のみを食べていた。
以上 2005年9月中旬

雲もすっかり秋空のWales

冬に備えて、牧場の草刈が盛んなWales