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KenのWales 便り - No.17 " ♪ボンファイヤー♪♪"

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                                                岡本賢一
 

  10月はじめから降り出した雨が、つかの間止むこともあるが、11月に入ってもまだ降り続いている。 大体10月と11月はWalesの雨季に当たるので年間でも一番多く雨がふる時期で、近くを流れるUsk川も今頃しばしば氾濫する。 今年もその清流が激しい濁流に変り、川岸の放牧場は水没している。 今年は春先から初夏にかけて雨が少なく、水不足を心配しながらも、人々は太陽の恩恵を受けて、戸外活動を楽しんだが、ここに来て自然のしっぺ返しをくらった。

 さて毎年11月5日は、ボンファイヤーといい、英国国内いたるところで、花火を上げたり、かがり火を炊いたりして大騒ぎをする。 Walesのこの片田舎でもその例外でなく、気の早い連中が23日前から花火をぽんぽんと打ち上げている。

 御存知の方も多いと思うが‘Bonfire Night’、あるいは‘Guy Fawkes Night’ともいい、由来は、今から丁度400年前、1605115日にLondonGuy Fawkesなる人物がプロテスタントのジェイムス1世の暗殺と議会爆破を計画し、カソリックによる政権支配をもくろみ、爆薬を議会地下室に仕掛けたが、寸前に発見されて爆破を免れたので、当初はプロテスタントの人々がこれを記念して、お祈りをしたりかがり火を焚いてGuy Fawkesの人形を焼いたりしたが、段々派手になり全国的に広まって行ったという。 London から離れたここWalesでもいたるところで行われる。 特に若者はその由来などどうでもよく、ビールを飲みながら景気よく花火を打ち上げて、火を焚いてわいわい騒げばもうそれで大満足。 普段こんなことをすると消防が出動して警察沙汰になるが、この日ばかりは、天下御免であり、おおっぴらに騒げる。 とはいえ、毎年どこかで必ず度が過ぎて、怪我をしたり、火の始末に手が負えなくなり、救急車や消防車の出動とあいなるケースが発生する。 ニュースで今年は出動回数が何回であったと報道される。


 普段はまことに静かなこの辺りもこのときばかりは、夜中までぽんぽんとうるさいこと限りないが、誰も文句は言わない。今年は特に
400年に当たるので各地で盛大な行事が行われるであろうといわれていた。

 
隣村に住んでいる古い友人から、このBonfireを見に行こうと夕食の招待を受けた。私は 大喜びでいそいそと出掛けた。

 話が少しそれるが、この友人ご夫妻は、ポーランドから若くして英国に移住してきた人で、大変苦労して英国ならびにWalesの社会に溶け込み現在の地位を築き上げた人で、そのせいか、私のような日本人がWalesで仕事をし、生活していくのは大変であろう、お前の苦労は大変よくわかる、といって機会があるたびに食事によんでくれ、そして助言をくれる、大変ありがたい友人。

 さて夕方から段々強くなってきた雨脚を気にしながら、ビールやワインを飲んでわいわい騒いでいたが、そのうちに土砂降りになり、これではBonfireどころではないね、などといっていたが、それでもいくらか義理のように数発花火が打ち上げられて、それきり静かになってしまった。 いつもなら夜中まで花火が打ち上げられてあちこちで騒ぐ声が聞こえるのであるが。 結局Bonfireにかこつけて友人の家で騒いだだけで帰ってきたが、外はいつもと変らず、静まり返ったままであった。 

 翌日の夜は雨がやんだ。 一日遅れの花火がたくさん打ち上げられ、騒がしい夜となった。
                                       200511月上旬





激流となったUsk川、普段川幅はもっと狭い。   



Usk川とCrickhowellの村。増水で樹木も水没。後ろの平らな山はTable Mountain