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KenのWales 便り - No.6 " Jass Festival "

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 毎年夏季音楽祭が英国のあちこちで開催されるが、ClassicからPopularな音楽祭に混じってJazz Festivalも開催される。Glastonbury Jazz Festivalなどと並び有名なものに、Breacon Jazz Festival がある。これはBreacon Beacon National Park の中心の町Breaconで、毎年8月に3日間にわたり開催されるもので、このときばかりは普段人口2-3千人の町が何倍かにふくらみ、交通は遮断されるし大勢のJazz目当ての人々で町はごった返すし、その雑踏ぶりに今まではとても近づく勇気がなく行ったことがなかった。が今年は偶然Opening SessionTicketが手に入ったので、開会式とそれに続くJazz Sessionをきいてきた。

  ここでは、町のあちこちに会場となるMarquee(大型のテント)が設営され、各Marqueeではそれぞれ別個の演奏会が行われる。 聴衆は共通券を買って好きな会場を渡り歩くかもしくは、1箇所だけのTicketを購入して入りそこだけで終わるか、である。

  また一番中心の
Main Marqueeで行われるSessionには共通券では入れず、別途買わなければならない。今年は21回目になるらしいが、結構盛大な開会式に続いて、Main の Marqueeで Session が始まった。私は Jazz に関してはまったく知識がないが、今宵は大変有名なBandJazz Singerらしい。

  席に座って待っていると、定刻を
10分ほど遅れてBandMemberが舞台にあらわれた。7名で比較的みな年配のPlayerである。ピアノ、ベース、ドラム、それにサックス2本とクラリネット、トランペット、である。そして彼らに続き、70歳過ぎとおもわれる老人がトランペットとクラリネットをぶら下げて、歩くのもおぼつかないような感じでよたよたと登場してきた。 この爺さんは何だろうと思っていると、舞台の中央まで来て観客に挨拶もしないで、くるりと後ろを向いたと思うと、やおら体を揺らしながら指でリズムを取り始めた。他のPlayerたちはそれにあわせてゆっくりとしたペースで静かに弾きだした。いわゆるJazz Sessionの始まりである。クラシックのオーケストラなんかと異なりなんとなく曖昧模糊とした始まりである。 リーダーの爺さんに合わせて全員が完全にSwingしだすと、真ん中でくにゃくにゃとリズムをとっていた爺さんがやおらトランペットを抱えたと思ったら、しゃきっとした姿勢で吹きだした。それは輝かしくしかも天まで突き刺さるようなすばらしい勢いの音色で全員の楽器に乗ってひと際輝いた。いやはや驚いたの、何のったって、もうまさに、ヨイヨイ寸前かと思うような爺さんのトランペットからこんなすごい音が出てくるなんて。うーん!楽器を持たせると人間はわからない。 

 やがて曲が進むとまた一人、老人が今度は杖をついてよたよたと舞台中央に進みいすに座った。トランペットのくにゃくにゃ爺さんが紹介するには、彼はJazz singerで過去にもこのJazz Festival で何回も歌っており、もう80歳を超えているという。 立って歌えないので椅子に座って、しかも今年目を手術したので片目に海賊みたいに黒い眼帯をしていた。しかも着ている服といえば赤と白の太いストライプときたもんだ。まるで吉本興業ではないか。


 だが、だが、である。この人の歌ごえは、そんな高齢とは思えない太く声量豊かなすばらしいものであった。 わずか
2曲しか歌わなかったが心にしみた。生まれて初めて本物のJazz sessionを聞き、Jazzもいいもんだなあ、と思った。

 ちなみに吉本興業の爺さんの名前はGeorge Melly、くにゃくにゃ爺さんの名前はHumphrey Lyttelton

 
                                                                       20048月下旬
  岡本 記

 

 

     
PS George Melly は20077月に80歳でなくなりました。