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KenのWales 便り - No.22 " Spring Lamb"

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 岡本賢一 



櫻にコブシにモクレンにさまざまな花が一度に咲き始めた。硬かった木の芽もようやくほころび、鮮やかな新緑が目にしみる。今年は、いつまでも寒かったので、すべての草花の開花が遅れていたが、さすが5月の声を聞くと暖かくなり、人間をふくめて動植物も活発に活動を始めた。

先日、久しぶりに近くの山に行って見たが、気温が低いそのあたりでも、もう唐松の新鮮な芽が出ており、「春近し」という感じであった。冬の間牧舎に囲われていた羊や牛たちも、牧場に放牧されて、冬の間食べさせられていた干草から、新鮮な緑の牧草に変わりおいしそうに食べている。 この春生まれてきた子羊たちも親の乳を飲みながら元気に跳ね回っている。 緑のじゅうたんの上を駆け回っている子羊たちはなかなか可愛くて絵になる。 Walesの春の風物詩の1つ。

ところが、世の中には人間という食いしんぼがいて、この子羊たちも安住の地がなく、かなりの数が大きくなる前に、Spring lambと称して食べられてしまう。 確かにLamb、特にSpring lambはおいしく、私を含め多くの人に好まれている。以前、私は、このLambというのは、まだ乳離れしていない子羊をLambと理解していたが、Spring lambというものを知ってからこのあたりの定義があいまいになっていた。 

Lambというのはまだ草を食べ始める前の子羊をいうなどと勝手なことを言っていたら、Doverに住む私の知人が早速連絡してきて、Lambというのはきちんと英国の法律で定義がなされていると。すなわち生まれてから1年たつとMuttonに変わるとのこと。 なるほど法律できめられていたとは。 それでは今の時季のSpring lambはというと、どうもあいまいであるが、私が調べた範囲では、その定義は、その年の冬または早春に生まれた子羊で、まだ乳離れしていないものをいい、時期としては7月までの子羊をSpring lambというらしい。

 いろいろな人に聞くと、確かにまだ草を食べ始める前の子羊をそのように呼ぶことは間違いなさそうで、ただ離乳時には、母乳も飲むし、草も食べ始めるのでだんだん草の量が増えてくると自然に味も変わると。
まあこの定義云々はどうでもよく、このおいしいSpring Lambにありつければ幸せという人間が、私を含めて大勢いるので子羊のかなりの数が成長前に食べられてしまうのは事実。

今年の冬に、London にいる食いしん坊の仲間たちにSpring lambの話をしたら、それは何が何でも食べに行きたいということで、最近になりようやく実現した。レストランに予約を入れて、何が何でもSpring lambを食べたいので当日間違いなく用意しておいてほしいと。 予約を入れた時点では、レストラン曰く、その時期はまだ走りだから毎日手に入るかどうかわからないという。 毎年何気なくSpring lambを食べていたけれど、4月末はまだ走りということ、はじめて知った。 前日に、レストランに確認したら大丈夫Spring lambは手に入っていると。 やれやれ一安心。

当日は、Canal walkなどをして、総勢8人、おなかをすかせて件のレストランに乗り込んだ。 前菜はそれぞれお好みのものを頼んで、そのあといよいよMainSpring Lamb。これはやはりわれわれのためのSpecialであったらしく、当日のMenuには記載してなかった。やわらかくて癖がないLambに、皆さん、おいしい!おいしい!の連発であった。

昼に見たかわいい子羊たちの姿などはもうどっかにすっとんで、あとは、わいわいがやがやなんとも楽しいひと時であった。  子羊に、いやLambに感謝!                                                                                                                                                                               5月上旬

 
たくさん生まれた子羊たち(Crickhowell





咲き出した石楠花 (Gliffaesにて)