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インタビュー バイリンガルサポートについて

皆さんはバイリンガルサポートという制度をご存知ですか? このコーナーでは現在バイリンガルサポートの仕事をされているハリス裕子さん(以下H)にインタビュー形式でお仕事の内容を紹介していただきます。ハリスさんは現在補習校でも講師をされています。

― まずバイリンガルサポートとはどんなお仕事なのでしょうか。
H: バイリンガルサポート制度の目的をご紹介するのが分かりやすいかと思いますので、ご紹介しますね。

  1. 文化や習慣の違う現地校で、日本人児童生徒が楽しく学校生活を送り、学べるようにするためのさまざまな取り組みをすること。
  2. 現地校における日本人児童生徒の数の増加に伴うさまざまな問題点(主に、英語力不足による担任・クラスメイトとの意思疎通や文化・習慣の相違からくる誤解など)を、バイリンガルサポートによる仲介を通して少しでも緩和すること。
  3. 学校側と日本人児童生徒の父兄の相互間の理解を深めること。
  4. 自国の文化や習慣を現地校の児童生徒にも理解してもらうこと。

これらの目的に沿って、子供たちが基本的な英語力をつけ、早く現地の学校生活に慣れるようにサポートしています。

― 具体的にはどんなことをされているのですか。
H: 小学校ならその週に学ぶ英語の本の内容を日本語で説明し、話し合い、読解力を深めることでクラスの授業についていけるようにすることや、アルファベットの発音を学ぶことなど、いろいろあります。中学校では、主に生徒の隣に座り、授業の通訳や説明などをします。その他にも,ご家族からお話を伺ってその生徒に合った学校の紹介をしたり、学校側とのさまざまな交渉にあたったりしています。

― いつ頃からこの制度が始まったのですか。
H: 日本語のサポートは2002年3月から始まりました。他の言語のサポートがもっと前からあることを考えると、少し遅いスタートだと言えます。スタートした経緯の詳細は分かりませんが、永年に渡る日本人会の方々からの要請が、ようやく市政に届いたのではないでしょうか。

― サポートを頼みたい場合はどのようにすれば良いのでしょうか。
H: 通常は、学校側がサポートを必要と判断した場合に限られますが、(学校側の予算とも関係があるようです。)もしサポートを希望される場合は、直接学校長に、バイリンガルサポートがあると聞いたので利用したい旨伝えたほうが良いと思います。学校長から教育委員会に要請があって初めて、私がお伺いする形になります。基本的に,渡英したばかりの児童生徒がいる学校にはサポートに入っています。

― 対象となる地域や学校は決まっているのですか。
H:  CardiffとVale of Glamorganの公立校を対象としています。現在、5つの学校に月曜日と火曜・水曜の午後でサポートに入っています。ただ日本語バイリンガルの仕事は週1.5日分しか予算枠がないため、限られた時間内でのサポートしか出来ない状況です。ご父兄の方々からは、「もっとサポートに入ってくれないか」との要請がたくさんあるのですが・・・。私自身、申し訳ない思いでいっぱいです。

― ニーズがあるのに予算が出ない・・・中々難しい問題ですね。このお仕事をされている方は他にもいらっしゃるのですか。
H: 残念ながら、この地域における日本語のバイリンガルスタッフは現在私ひとりです。日本人の児童生徒数は、他の言語の子どもたちに比べるとまだまだ少ないので、一人分の予算しかないそうです。もっと日本人児童生徒が増えれば、それだけ予算枠も広がるでしょうが・・・。

― 最後にこの仕事を通じてどんなことをお感じになっているかお聞かせ願えますか。
H: 時間的制限があり、サポートしきれないというジレンマはありますが、補習校と現地校の両方で子どもたちの状況を把握できるため、彼らを理解する上で大変役に立ち、とてもやりがいのある楽しい仕事であるといえます。例えば、補習校では元気一杯で、友達とも仲良く遊んでいる子どもが、現地校では一日中ひと言も話さず一人ぼっちでいると、現地校側では、「何か問題があるのではないか」と憶測する場合があります。そんな時、補習校での本来の姿を知っている私が、現地校へ説明することで、現地校側と子どもとの間の壁が少しだけ低くなります。そんな時、この仕事をやっていてよかったなと思います。私自身、この国の教育事情や、子どもたちの英語力を伸ばすためにはどうしたらいいのかについてまだまだ学ぶべきことは山ほどあります。私も子どもたちと一緒にもっともっと苦労して、そこから学んでいくしかないと思っています。

― 大変貴重なお話を聞かせて頂き、ありがとうございました。

バイリンガルサポートに関する問い合わせは
EMAS(Ethnic Minority Achievement Service)
Tel: 029 2087 2731
Fax: 029 2087 2732

(文責:狩野)