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補習校便り 2007年5月
帰国後の英語力保持について
山田明希(あき)さん(高1)は、3月発行のミルキー新聞(生徒新聞)の「先輩インタビュー」に登場した啓志君の妹さんです。明希さんの英国滞在は、1歳10ヶ月から6歳7ヶ月 の5年間弱。大阪府教育委員会、ブリティッシュカウンセルなどが後援する大阪府の英語の暗誦大会で優勝の栄冠に輝いたというニュースを、年明けに人づてにお聞きしました。お父様ご自身は「ネイティブ並みの話し方をする学生も何人もいて、大阪府から集まった46人中の一位になろうとは思いもせず、発表のとたん家内とあわてふためいた」とか。暗誦大会は、3分間の小文を、いかに感情をこめて表現し、正しい発音と抑揚、そして適度のボディーランゲージをまじえて訴えかけるかを競うものです。明希さんは、「葉っぱのフレディ」の文章を発表しました。小さな子供は英語を覚えるのも早いが、忘れるのも早いと聞いていましたので、明希さんの場合はどうやって英語力を保持されたのか、興味がわいてお父さまにお聞きしてみました。その話をご紹介します。
お父様の山田哲朗さんのお話 Q1 明希さんのカーディフ滞在中の英語力は? 「3歳の9月から教会と近くのPrimary SchoolのNursery、4歳の9月からRadyr Primary SchoolのReception、その後1年生と、2年生の2月までPrimary Schoolに通いました。(日本に帰国して小学校1年に入学)Primary School就学時代、友達と話しているのを聞くと、英語はNativeそのものでした。私が正当な(古い?)発音で”What”【hwΛ't】と発音すると、”パパ、発音がおかしいよ。【wΛ't】といわないとダメだよ”と英語でたしなめられたものでした。日本語は年相応で問題なかったです」
Q2お子様の言語習得面で、配慮されたことは? 「現地の友達とは、あらゆる機会を捉えて、日本人の友達同等にお付き合いさせました。よく友達の自宅にも泊めてもらって遊びました。自然に言葉を身につける環境がありましたし、それを最大限に利用してきました。(母親も努力したと思います)」
Q3 帰国後の英語の勉強は? 「当然英語能力は落ちると思いましたので、いろんな努力をしました。一時期、週に一、二回Nativeの家庭教師を付けましたが、語学力は落ちる一方でした。言語環境に差がありますから、実力低下はやむを得ません。娘の年齢では、ウェールズで使っていた英語は”Stock”としては、ほとんど残ることなく、単なる”Flow”としてまわっていただけだったと思います。Flowですから、Inputがなくなれば、早晩Outputも枯渇してくるということです。それにしても、その枯渇が意外に早いことに驚かされました。少なくとも、ウェールズ時代に学んだ英語は、今、目に見える形では残っていないようです。文章を読む際の”イントネーション”には当時を彷彿とさせるところもありますが、発音にはどうみても昔の面影はありません。 帰国後、大学とかYWCAで開催される英会話学校で大人に混じって学ばせたり、兄の通った(千里国際)のSaturday Schoolや、夏休みの"Just for Kids" (夏季英語学校)に通わせたり、今は、ラジオの語学講座(複数)を聞かせています。ことある毎に”英語環境”を作って学ばせてきました。時々我が家は”英語道場”のような雰囲気になります。(ここでも母親の頑張りがあります)年齢が進み思考能力ができてきて、またラジオ講座などでだんだん”Stock”もできてきたようですし、英会話学校や夏期講座では、他の参加者よりも英語がよくできることを知って、だんだん自信や励みも出てきていたようです。 加えて何と言っても一番大切なのは本人の頑張りですが、娘の場合はウェールズ時代に現地の友達と何の不自由も無く意思疎通ができたのに、今の自分にはその力が無いと、時々昔の友達への葉書などを書く際などに、改めてその惨めさを自覚し、その悔しさがモチベーションとして、強いバネになっているようです。 小学2年に英検4級に受かりました。その後、5年生に準2級、6年生に2級に合格しました。」
Q4 今回の大会での優勝についての感想は? 「Native並みの英語を話す参加者が何人もいました。残念ながら今の明希にはとても太刀打ちできないと直感しました。優勝できたのは本当に驚きでしたが、たぶん明希は、話の表現力で勝負できていたのでしょう。英語を使って、物語の心をうまく伝えることを知っていたのかもしれません。」
Q5 中身を心で感じて表現したり、伝えたりする「中身」が大切だということでしょうか。 「所詮言葉は道具ですから。立派な道具を持つことも大切ですが、手持ちの道具を駆使して目的を果たす(例えば、例え小さな金槌しかなくても長い釘をまっすぐに打ち込む)ことを修行することも大切ですよね。5年間暮らした英国で娘は、英語で想いを伝えることのコツを、少しはつかむことができたのかも知れませんね。妻は決して”釈迦力になって頑張らせた”という感じではないのです。夫唱婦随ならぬ”母唱娘随”という感じで、お互い結構同じ目線で見つめながら仲良く、楽しんでやっているようです。」
Q6 英語力アップと帰国後の英語力保持について 「おこがましいことを言える資格はありませんが、英語の大切さを自覚し続け、努力することしかないでしょう。そして、家族のサポート(叱咤激励)も不可欠でしょう。所詮、英国滞在中のような語学環境は日本では望めませんので、自ら作るしかありません」 |