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補習校便り 2008年10月
算数で考える訓練を 田口知子
3週間前の小2の算数の時間のことです。宿題プリントの三つの数の計算がよく出来ていなかったので、授業の最初に復習しました。まず48-19+1の問題。そんなの簡単だよといった顔で、一斉に手が挙がりました。指名された児童が、「19足す1は20。48引く20は28。」とすらすらと答えました。私は、その計算式と答えを板書します。みんな、そうだとうなずきました。「いいですか。」と聞くと元気よく「いいでーす。」では、他の方法でやってみましょうと問いかけると、別の児童が「48引く19は29。29足す1は30。」この計算式と答えを板書すると、あれ?という声が。「おかしいよ、答えは28でしょ」と言う声も。「じゃあ、48引く19の筆算が、間違っているのかな。」とみんなで見直します。「あれえ、あってるなあ。」最初の答えも間違いないか、もう一度、やってみます。間違いありません。
「どうして、答えが二つになるのかなあ。」と私も考え込むふりをして見せます。本当に不思議だったのでしょう。Aさんが、真剣な目でまっすぐに白板を見つめています。少しすると、B君が「あ、分かった。分かった。」と手を挙げました。「1は足すんだから、答えは30だよ。」私はわざと「19に1を足しましたよ。足し算になっていますよ。」すると、「足し算と引き算がまじっている時は、順番を変えたら答えがちがってくるんだよ。」と、B君は一生懸命みんなを分からせようとします。助け舟を出そうとして、思わず私も考えました。
( )を使えば48-19+1は、48-(19+1)ではないと説明できますが、結局次のような説明をしました。「48から20を引くということは、48引く19引く1のことだから48-19-1になってしまったね。だから、足し算と引き算がまじっている時は、最初から順番にしていかないと、違った答えになってしまうから注意しようね。」と。そして26-17+11を計算をして終わりにしました。Aさんはなんとなく分かったような感じで、時間切れとなりました。2週間後に行ったテストでは、ほとんどの生徒が前から順番に、計算していたので、計算方法は、頭に入ったようです。
算数・数学は、一度学習したからといってすぐにできるわけではなく、くり返し練習することで学習が定着します。基本の計算は、条件反射的にできなければいけませんが、機械的に練習を続けるのではなく、分かりきった計算でも、時には、他の方法がないか、どうしてそうなるのか、考えることが大切です。考えていて、「あ、分かった。そういうことか」とピンとくる体験が、学ぶ楽しさ、おもしろさにつながります。その時はよく分からなくても、後になって、こういうことだったのかと理解できることもあります。算数・数学で、考える力をしっかりと鍛えましょう。そのためには、普段から機会をとらえて、どうしてミスしたのか、あるいは別の解き方がないか、考える訓練をすることが大切です。例えば、103-5の計算方法。小2では4通り、出てきました。大人の皆さんもお子様と一緒に考えてみませんか。(10月4日)
作文には家庭の支援が不可欠 田口知子
本校では、日頃から書くことを重視しています。例えば、低学年では、あのねちょう(日記)、高学年では日記作文や意見文を宿題に出しています。書くことが習慣化され、自力で書けるようになるまでは、家庭での支援が不可欠です。作文は、学校で国語の授業を受けているだけで、自然に書けるようになるものではないからです。あのねちょうが書けないからといって、提出しないでいると、いつまでも力はつきません。
あのねちょうが書けない理由として、三つのことが考えられます。まず、何を書いたらよいか分からない書くことが見つからないという場合。次に、きちんとした文章を作ることができない場合。そして、書くのが面倒で、書きたくないという場合。ではどうすればよいのでしょうか。答えは一つです。親子で取り組むことです。
あのねちょうを書きたがらない時は、そばについて書く時間を確保してあげてください。文章がうまく作れない時は、親子で一緒に考えます。書くことが見つからない時は、親子で最近の出来事を思い出します。親子で考え合う中で、思考のレベルが深まります。これが、思考の訓練につながります。書くことが習慣づけられるかどうかは、保護者がどれだけ時間をかけてお子様につきあってあげたかによります。毎週、地道に親子で奮闘することが、確実に実になっていきます。小1から始めて、3年続けてやっと効果が目に見えてきたという話も聞きます。「継続は力なり」です。
しかし、宿題だから、勉強だからと気負って取り組む必要はありません。日頃から、お子様の話に興味を持ち、一緒におもしろがってあげればよいのです。子供の言葉や文章に「へえ、こんなことを考えていたのか」と思うこともあるでしょう。新たな発見や感動を楽しみながら、書くことを支援してあげて下さい。
さらにゆとりがあれば、親御さん自身も、書く機会を持たれてはいかがでしょうか。例えば、あのねちょうや俳句用紙に保護者の一言(子供宛、先生宛)を書き添えてあげると、お子様にとって、大きな励みになります。また補習校だよりの「父母の声コーナー」への投稿も歓迎です。いろいろな機会をご利用になってみて下さい。
母の声 サマースクールについて
✦一日目の午前・調理実習、午後・習字というのは、親も子も、もちろん先生にも大変だと思いました。できれば習字は、二日目にあった方がよいのではないでしょうか。調理実習のカレーは、大成功でした。白玉の袋の裏には冷水と書いてあったのに、お湯を加えてしまい、だまになってしまいました。気をつけます。ごめんなさい。
✦普段は料理の手伝いをさせる時間がとれないので、調理実習は大変楽しかったと言っていました。
✦定番のカレーライスは、小さい子から大きい子まで分担して仕事ができてよかったです。白玉フルーツポンチの白玉は失敗する確率が高いので、次回はメニューからはずしてもよいかと思いました。日本の地理の勉強は、低学年の子供たちにとっても大変ためになったと感じました。来年もぜひやっていただきたいです。(10月11日)
漢字の教室学習と家庭学習 田口知子
先週、小5,6年の中休みをずらし、2時間目が始まる10時40分からの20分間を使って、ミニ教員研修を行いました。複式クラスでは、漢字の一斉指導を行っています。細田先生のご協力により、その部分を、先生全員で見学させていただきました。生徒達は、見学者の存在を気にとめるふうでもなく、いつも通りの感じで授業が始まりました。学習するのは、小6の新出漢字です。
最初に、人が多いことを意味する漢字として、「衆」が紹介されました。熟語として「民衆」。「初もうでに・・が集まる。ムレル衆と書いて?」小6生が「群衆」とスムーズに解答。「高級レストランでなく、安くて誰でも行ける・・的なレストランは?」の「大衆的」は、難しかったようですが、「議会で参議院と・・」では「衆議院」と即座に出てきたのは、さすがです。小5生も、板書された熟語をノートに書き写していきます。
続いて、縦の漢字です。「道路がたてよこに走っていることは」で、ジュウオウと小6生。「日本列島を自転車で・・する」で「縦断」。次の漢字の「閉」では、「目を閉じる」にならって「戸を閉める、本は・・閉じる、窓を閉める・・」とテンポよく続きます。「店を閉めることは?」「閉店」「閉店の反対は、開店。」ここで小6生から閉会という熟語が登場。最後に「今年の暑さはうんざりして・・した」は、みんなで頭をひねります。「閉じる気持ちだから閉気」と言った小5生のアイデアを、細田先生が「閉じるのは気持ちではなくて」とうまくつなげると、「閉口する」と小5生から正解が出ました。すると、小6生が「親だったら、子供からゲーム買って、買ってと言われて閉口した。」と例をあげ、笑いを誘います。
「幼」の送り仮名が「おさな・い」であることや「ほとんどそっくりな字は」で「まぼろし」と小5生が正解。ここで「幻」も紹介。中1で習う漢字です。最後の「誕」は、「延期の延にごんべんだね。」と小6生。こうして20分間で新出漢字5つを使った熟語を、約20学習しました。
この後、職員会で、漢字指導について討議しました。高学年になるまでに、書き順の感覚を身につけておけるように、小1,2年で、書き方の基本をしっかりとおさえ(口を一筆書きで書いたりしない)、中学年でさらに定着をはかることが大切である。語彙は、「言葉ノート」を作って意味調べをしたり、覚えてほしい語彙を使って短文作りをしたりする方法で、伸ばす努力が必要である。漢字は文章で習わなければ、なかなか覚えられない。教室学習でかけられる時間は、限られるので、家庭学習が欠かせない。この日はこういった意見交換を行いました。
家庭学習には、教室学習を定着させ、発展させる役割があります。例えば、延にごんべんで、どうして誕になるのでしょうか。「漢字の成り立ち辞典」を見ると、引き伸ばした言葉が、別義で「生まれる」という意味になったとあります。横に、涎(よだれ)の漢字も。ずるずる延びる液体だからと納得。このように、漢字の成り立ちを調べながら漢字を覚えるのも、おもしろいものです。いろいろな工夫で、家庭学習を充実させて、漢字と語彙力アップをはかりましょう。(10月18日)
文集用作文の題材について 田口知子
今年度の学校文集のテーマは「友達」です。仲良しの友達について書こうと思っている人は、どうしてそのお友達のことが、好きなのか、教えて下さい。楽しかった出来事を一つか二つ例にあげて、お友達の言った言葉やしてもらったことを、具体的に書いていくとよいです。その場面を思い出しながら書いていくと、その人のよい点や好きな点が、形に表れてきます。また、その人へ伝えたい気持ちを手紙作文にしてもかまいません。
発想を変えて、人間以外の友達について書くこともできます。例えばペットや隣のネコ。どうして、それが友達のように感じられるのか、教えて下さい。生き物以外の友達なら、例えば、愛用している遊び道具。その出会いとつきあい方を説明して、どうして大切なのか、教えて下さい。あるいは、想像作文はどうでしょうか。小1の阿部航君があのねちょうに「ドラエもんがいたら、どこでもドアで日本に帰って、おじいちゃん達に会いたいな」ということを書いていましたが、これも、おもしろい題材になります。「ドラエもんの友達がほしいな」と思うのであれば、どうしてなのか、教えて下さい。
高学年になれば、「私の友達作り」や「日英の友人比較論」「友達から学んだこと」など、自分を見つめた題材も登場してくるでしょう。読書好きの人は、本を友達に見立てることも可能です。「友達」というテーマを、どのように料理してもかまいません。教室や家庭で、周りの人たちと話し合って、題材のアイデアを広げて下さい。
母の声 サマースクール
✦今年初めての参加でしたので、「今日、全然勉強しなかったよー。」と心配そうに話してきたので、ちょっとびっくりでした。やはり、一番楽しかったのは、調理実習のようです。人数が少なくなっていますが、その分たくさん調理ができてよかったのではないでしょうか。
✦いろいろな学年の子と、一つになって活動したことがとても楽しかったようです。その中でも調理実習は、包丁を持たせてもらい、一番の思い出になりました。今回初めての参加でしたが、下の子を幼児部で預かってもらうことができたので、とても助かりました。来年もぜひ同じ形で残してもらいたいと思います。
✦いつも以上に少人数で、高学年の人達との交流が、とても楽しかったようです。特に調理実習は、家でさせないこともあって楽しかったようです。二日目は、日本地図という高度な勉強で、ついていけなかったようです。これもまた勉強でいいと思いますが、可能であれば理科の実験などがあれば楽しかったのでは?(無理かと思いますが)季節がら戦争のことを勉強するのもいいのではないでしょうか。来年もまた、先輩の仲間と和気あいあいと楽しめるサマースクールを楽しみにしております。(10月25日) |