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補習校便り 2008年11月


二回目のコーヒーモーニング


田口知子

 今回は、通信教育の話から始まりました。海外子女教育財団の「レインボー」か、進研ゼミの「チャレンジ」を購読されている方が、何人かいらっしゃって、課題を定期的に提出するのが、なかなか大変だと。普段は、補習校の宿題をこなすのが精一杯だという声が多く、通信教育は長期休暇の時などに、取り組まれているそうです。

 補習校の宿題も、少しずつこなしていかないと、金曜日が大変なことになります。今まで日曜日をフリーの日にしていた方も、最近は方針を変えて、日曜日に補習校の宿題をする時間をとるようになられたとか。それでは、皆さん、平日は、どのようにして時間を確保されているのでしょうか。例えば、登校前の45分を利用されているご家庭では、朝の方が、お子さんの頭も体もシャキっとしていて、帰宅して疲れている夕方よりも、効果的だと教えてくださいました。「朝は、とても・・」とおっしゃる方は、夕食後、すぐに勉強を始め、それが終わったらデザートにします。お楽しみのデザートを前にすれば、勉強の効率も上がることでしょう。

 現地校の宿題については、「子供を親の都合でこちらに連れてきた以上、親が責任を持って、サポートしています。」とおっしゃる方も、お子さんが高学年になると、英国人の家庭教師に頼ることが多いようです。その場合は、具体的に見てほしい内容を伝えることが大切だとのこと。家庭教師を見つけたい場合は、現地校の先生に相談するか、ネットで捜すとよいそうです。

 日本人の親としては、テストの得点や成績が気になります。現地校の先生の所に、弱点を補強するために、夏休み中どんな勉強をしておけばよいか、親子で相談に行くと、逆に先生に叱られたという経験談も登場しました。「夏休みは、勉強させるためにあるのではありません。」と。それを聞いた子供さんは、大喜び。夏休みにおもいきり遊んでおくと、新学期が始まった時に、気持ちがリセットされて、勉強に身が入るのだそうです。「英国人の子供は、小学校の頃は、遊んでばかりだったのに、ある時から急に勉強をするようになる。その底力はすばらしいですよね。」と感嘆の声も。

 ここから英国の教育について、話が盛り上がりました。「英国人の子供たちが、スポーツで見せる競争心は、すごい。勝つために、必死でがんばる。体力もある。勉強には、体力も必要だと思って、今はスポーツをしっかりやって、体力作りに努めている。」というご意見に続き、日本のテストは、暗記中心だという点が、指摘されました。例えば、日本の歴史では年号などの暗記が問われますが、英国ではその出来事の背景などを書かせる問題が出ます。日頃から、課題意識を持って学習し、考える訓練ができていることが、底力につながっているのでしょうか。そして、英国では、学校の先生も、親も、子供のことをよくほめるという点も、話題になりました。とかくできないことに、目がいきがちですが、子供はたくさんほめてあげたいものです。今回は、永住されている方や滞英年数が長い方が多く、このように最後は日英の教育比較論で終わりました。そして、外国人のお父様方にも来ていただいて、英語で語るコーヒーモーニングのアイデアも出ました。機会を見て、ぜひ実現しましょう。(11月1日)

  再び 算数で考える訓練を

田口知子

 私が担当する小2の算数では、先月から九九を学習しています。九九は今学期の学習の目玉です。先日の参観授業で、最後に、チャレンジ問題を出しました。問題を読んだところでその時間が終わり、続きは2時間目になりました。翌週、お一人のお父様が「あの問題で、質問があるのですが」と声をかけてくださいました。問題は「川にそって4mごとに6本の木がうえてあります。1本目の木から6本目の木までは、全部で何mありますか。木の太さは1mです。」授業では、まず子供たちに絵を描いてもらいました。次にどこが4mか書き込みます。最初は木の高さが4mになってしまいましたが、すぐに木の間隔が4mに訂正できました。そして、4×5=20と立式。できたと安心する中で、「ちょっと待って。」と木の太さの1mを絵の中に書き足す児童が現われ、204=24となりました。

  この問題は、宿題プリントのチャレンジコースに入れてあったので、ご家庭でも親子で考えられたようです。お父様の質問とは「1本目と6本目の木の太さは、入らないのでしょうか。」もともと問題集の方には、「木の太さは考えない」という但し書きがありました。基本レベルなら、棒の太さがない旗の絵が何本か書いてあって、総間隔を求めさせます。ステップアップレベルになると、絵は無く、間隔が旗の数よりも1少なくなることに気づくことが求められます。今回は、これをさらにひねって、チャレンジ問題にしてみました。

あくまでも基本をおさえた上でですが、時間にゆとりがある時は、たまにチャレンジ問題を出しています。先月は、「1本5cmのテープが7本あります。のりしろを1cmにして図のようにつなぐと、全部で何cmになりますか。」この時も、5×7=35とした後で、のりしろに気づいた子供たちが「35-7=30いや356=29だよ。」と議論が起き、さらにのりしろをのけて4cm×6に5cmを足して29cmとする児童が、出てきました。すると、一度目で正解できなかったのがくやしかったのか、別の児童が「でも、先生。それ輪にするのなら、28cmでしょ。」まいりました。絵はひも状になっていたので、これは私にも想定外の意見でした。「よく気がついたね!」A君はもう満面の笑顔。

 算数は、式にあてはめて機械的に答えを出す方法だけを学習するのでは、発見も思考の深まりもありません。学校で学ぶ意義は、議論し合いながら、思考を深めていける点にあります。いろいろ考えながら、解答にたどりつく過程にこそ、学習のおもしろさが隠れています。ご家庭でも、どう説明すれば、分かりやすいか、お子様からどんな考えが出てくるか、興味を持って、親子で一緒に考えることを楽しんでみて下さい。たとえ子供が自力で問題を解けなくても、考える訓練を続けることで、算数的/論理的思考力が伸びていくはずです。算数好きの芽は、種をまかないと育ちません。いろいろ工夫してみませんか。(11月15日)

 
先週の教員研修会について

田口知子

 小3,4,年の研究授業で「ジオジオのかんむり」(岸田衿子作)を学習しました。老ライオンのジオジオは、話し相手がいなくてつまりません。そこへ鳥がやってきて、たまごを全部なくしてしまってつまらないと言います。ジオジオは、自分のかんむりの中にたまごを生むように勧め、喜んだ鳥がたまごを生むと、たまごを大切に守ります。春にひながかえり、元気に育ちます。そして最後の文章へ。「ジオジオは、よく目が見えません。でも、ジオジオは聞いていたのです。小鳥の声を、うれしそうにじっと聞いていたのです。」じーんとくる場面です。

授業では、鳥とジオジオの気持ちを読み取った後、ワークシートに、最後の場面で、小鳥の声を聞いているジオジオの気持ちを書きました。

研究授業に基づく教員研修会の良さは、毎日教壇に立つ派遣教員の先生方の授業を、見学できる点にあります。子供たちへの励ましや助言の与え方、発言の引き出し方など、指導のテクニックを実地に学ぶことができます。

今回は、見学の焦点を学習評価に絞り、教師達は、子供達の発言やワークシートの言葉などから、評価につながる材料を集めました。授業検討会では、例えば、うれしい、楽しいという言葉があればB、小鳥たちとかかわることで、最初の気持ちからどう変化したか、比較ができていればAといったように、書かれた言葉から読む力を評価する場合の評価基準や評価方法について討議しました。具体的な事例に基づき、評価について討議するのは、今回が初めてでした。評価を意識することは、指導目標の明確化と指導の振り返りに直結します。

もう一つ有益な討議ができました。それは、読む力を評価する場合は、多少文章がまずくても、感性豊かで個性的な内容であれば、そこを見逃さないで評価するということです。子供たちの個性的な言葉が、紹介される度に、読みの深さに感動を覚えました。評価の目的は、子供達の良い点を評価し、意欲と自信を育てることにあります。教師には、発問や学習課題を工夫し、子供達が学習目標に到達できるように導く責任があります。

授業者の榎本先生と佐藤先生が、後でこっそり教えてくださいました。「授業は緊張しました。手が震えるのが、自分で分かりましたもの。」その緊張感を、全く感じさせないところが、やはりプロです。「普段は、ここまで時間をかけて考えて、授業をしていないので、こうした機会は、本当に勉強になります。来させてもらってよかったです。」研修に対する熱意。プロ意識。本校の子供達や先生達に真摯に向き合う姿勢。お会いして、背筋が伸びる思いがしました。白川教頭先生と事務局長管野様からは、貴重な資料と書籍のほかに、「客観的な評価、子どものためになる評価、学習目標が達成できる助言や授業作り、生徒の意欲につながる評価」など今後の指導につながる有益なコメントをいただきました。評価に関する研修討議は、今後も継続し深めていきます。大変有意義な一日でした。

研修会を実施するために、自習監督など、保護者の皆様からも快いご協力をいただきました。感謝申し上げます。(11月22日)