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補習校便り 2008年6月
~これからの学び方 算数、数学(2)~ 田口知子
算数、数学の基本はなんといっても、計算力です。小3までは、計算問題の数をこなし、しっかりした計算力を身につけておきましょう。たとえば15-9や26-8のような基本のたし算、ひき算は、低学年の間に暗算でスパッとできるようにしておくことが大切です。計算が正確にできるようになったら、スピードアップをはかるために、100マス計算が効果的です。小さなスペースで数がこなせて、問題作成にも時間がかからない、とても便利な方法です。時間のある時は、ご家庭でもゲーム的に取り組んでみられたらよいと思います。こうした単純な計算練習は、数の世界に慣れる上で、とても大切な頭の訓練になります。つまり、頭の中で、数が増えたり、減ったり、数の大小など、数をイメージする力が育ちます。低学年の間に、計算に自信が持てれば、算数がおもしろいものに感じられ、算数の勉強が好きになれます。しかし計算力だけで勝負できるのは、低学年の間だけです。高学年になると、今までに習ったことを駆使して、いろいろな問題を解いていかなければいけません。そこで必要になるのが、思考力と応用力です。さらに細かく言えば、算数的発想力(ヒラメキ)や最後までねばって取り組もうとする根気力、いろいろな方法でやってみようとする工夫力、こうすればこうなるだろうと段階的に考えられる論理的思考力、これは今までに見たことのある問題だなと見抜ける連想力なども、ものをいいます。また、ケアレスミスが多くて、得点が伸びないという場合はどうでしょうか。ケアレスミスは、不注意によるものですが、それを弱点として自覚しない限り、克服できません。この程度のミスはなんでもないと見逃していては、また同じミスをします。ですから、まずミスを反省材料にする姿勢を持つことからです。次になぜミスしたのか、どこが落とし穴なのか、ミスを分析することです。こうしたテスト後の振り返り能力やミスしたポイントや解き方を記憶する力も必要です。図形の単元では、補立体や空間をイメージする力も求められます。このように、算数、数学力とは、実にいろいろな力が結集したものなので、単に公式に当てはめて答えを出すマニュアル的な学習をしているだけでは、いつしか力は頭打ちになってしまうでしょう。やはり高学年になれば、自分の力よりも少し上のチャレンジ問題を、時間をかけて考えぬく訓練をしていくことが重要です。もちろんこの時に、計算力がないと、計算の段階で力を使い切ってしまって、先に進めませんから、中学でも計算練習は数をこなし、たくさん間違って、ミス問題を数多く集めておくとよいでしょう。そうすれば、問題を見ただけで、間違えやすい点や落とし穴が分かるようになります。最後にもう一つ。算数、数学の力を伸ばすために大切なことがあります。 (6月7日)
~これからの学び方について 算数、数学(3)~田口知子
算数、数学の勉強で、もう一つ大切にしてほしいことがあります。それは、答えにたどりつくまでのいろいろな考え方を楽しんでほしいということです。たとえば、小2の教科書に「□-□=19になる式を作ろう」という問題がありました。児童がどんなふうに答えを導き出すか、とても興味がありました。ノートに答えを書いた後、発表してもらいました。一人目がまず、20-1=19という式を発表しました。どうやってその式を見つけたのかを問うと、「19の次は20だから」二人目は、最初にひかれる数を50に決めて、式を作ったそうです。「5-3=2だから50-30=20、 19は20より1小さいから、30に1足して50-31=19」なかなか論理的に考えています。すると、50から19をひけば、すぐに31が出てくることに気がつきました。計算練習が続いた後だったので、こうした考える問題は、学習に変化がついて楽しかったようです。私も児童の発想は意外で、とてもおもしろかったです。中学の授業でも、回り道して答えが出た後で、シンプルな求め方を知ったとたん、「あ、そうか」とみんなで感心する場面があります。私は、ある意味、これは数学的感動体験ではないかと考えています。答えを導き出すために、いろいろな方法があるのが、算数、数学の楽しさです。学習を楽しいと感じる体験を、低学年の時から少しずつ積み重ねていってほしいと思います。私が小学校低学年の頃のことです。父は、私が幼稚園の時に、会社員から教師に転職し、最初の勤務先が、工業高校の定時制だったので、夜は赤ちゃんの弟と私と母の三人だけでした。弟をあやしながら、母はいつも私の勉強を見てくれました。算数には、子供ながら苦しんでいたのでしょう。手の指では足らず、足の指まで使って、計算していたおぼろげな記憶が今でも残っています。母は、そんな私の姿を見て、低学年の頃は、随分心配したと言います。勉強が終わると、お楽しみのダイヤモンドゲーム(小さな円錐十数個を三角形に並べて、向かい側に移す)です。当時の私のお気に入りで、何度も何度も母と競争したものです。頭の中で、次の順路を考えるので、頭の訓練にもなると思いますし、時には算数のパズルやゲームも楽しい学びになるのではないでしょうか。 (6月14日)
~教室の学習風景ご紹介~田口知子
早いもので、1学期も三分の二が過ぎました。お子様は、落ち着いて学習と取り組み、順調に学習を進めていますか。五月初旬に授業参観がありましたが、参観日に限らず、保護者が日頃からお子様の学習状況について把握しておくことは、とても大切です。今、何を学習しているのか、理解度はどうか、子供の学習状況を知らないと、家庭で的確なフォローができません。特に週一回の補習校では、学校と家庭との連携が必須です。学習意欲を引き出し、きちんとした学習習慣を身につけさせるためには、家庭での言葉かけが重要です。例えば「今日はどんな話を読んだの」「先生からどんな話を聞いたの」「どんな宿題が出たの」といった質問をすることです。高学年になって、子どもからうるさがられるような場合は、「今どこを勉強しているか、教科書を見せて」でもよいのです。学習単元が分かっていれば、それと関連した話題を会話の中に盛り込むことができます。またその内容の理解度は、ちょっと質問してみれば分かります。こうした言葉かけは、「勉強しなさい」の一言よりは、ずっと教育効果があります。 児童生徒が今、何を勉強しているか、私もできるだけ知るようにしています。場合によっては、使えそうな補助教材を先生たちにお回しできるかもしれませんし、子供たちへの言葉かけも工夫できるからです。先週は、久しぶりに小学部の教室を見学する機会が持てました。 一年生は、鳥のくちばしについて、キーワードを先生手作りのワークシートに書き込んでいました。きつつき、おうむという鳥の名前や、「するどくとがった」といった言葉を学習できました。日常会話ではカバーできない語彙を、教科書を使って増やしていきます。二年生は、スイミーの物語文を読みとっているところでした。ワークシートには、絵を描く部分もあり、絵を活用して想像力を高める試みが、効果的だと思いました。三年生は、一人ずつ前に出て、詩の暗唱をしているところでした。ものおじせず前へ出る児童の様子や、自分の好きな詩を家で覚えてきていることに、とても感心しました。その調子で言葉の力を伸ばしていってほしいと思います。二時間目の途中から、五年生の教室へ。六年生は英検でいませんでした。黒板いっぱいに、新出漢字を使った熟語が並んでいます。語彙の集中学習です。続けて「短歌と俳句」の単元へ。江戸時代の川柳も登場し、「文語」「口語」について教わります。ファミコンの無い、自然が遊び相手だった昔に思いをはせて、作品を鑑賞します。高学年になると、読みの世界が深まります。最後は小4です。授業の終わりは「話す、聞く」と「書く」ことをタイアップさせた日記指導の時間です。その週に書いてきたあのねちょうを、前に出て読み、他の人からの質問に答えます。それをメモしておいて、家で書き加え、完成させます。
今回は、小学部だけの見学でしたが、中学部も含めて、これからも時々、教室風景についてご紹介していきたいと思います。
(6月21日)
質問コーナー:あのねちょうの宿題で、文章を自分の言葉で形にすることがとてもむずかしいようです。 何か良い方法はありますか。
回答:普段からの親子の会話につきると思います。例えば、何を見たか、何を見つけたか、子供が話したくなることを、たくさん質問してあげてください。言葉が出てこない場合は、「うれしかったの、いやだったの」のように、言葉を与えて、子供に選ばせていくとよいでしょう。また、絵が好きな子供さんなら、最初にその場面を絵に描かせてみてはどうでしょう。「これは何、どんな大きさ、色は」と絵を通して、質問していくことができます。お子さんから言葉を引き出せたら、それを書かせます。状況によっては、子供の言葉を親がメモしておいてあげて、それを子供に書かせてもよいでしょう。 子供からうまく言葉を引き出していくためには、子供の話に興味を持つことが大切です。まどろっこしい話でも、気長に聞いてあげることです。どうか、よい聞き手になってあげてください。 こうした日々の積み重ねがあってこそ、自力であのねちょうが書けるようになります。最初は親子で奮闘し、ようやく小3の中ごろから、一人で書けるようになったという話はよくお聞きします。やはり、小1,2年の間の訓練が、ものを言います。「継続は力なり」です。あせらず、地道にあのねちょうと取り組んでいってください。文章が出てこない、書けないからと、あのねちょうを後回しにしておくと、いつまでたっても書けるようにはなりません。学年が進級すれば、書けるというものでもありません。最初は一文日記から始めて、とにかく毎週何か書くことを習慣にしてください。教科書を読んだり、書き写しをしたりするインプット学習と異なり、文章を書くことは、全知力を搾り出すアウトプット学習です。簡単にはいきません。支援する周りの人にとっても手間がかかる訓練です。成果が出るまで忍耐強く、お子様をサポートして下さるようにお願い致します。(6月28日)
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